「せっかく作った推しAI、会話してたらなんか違う…」
そんな経験、ありませんか?
この記事では、すでにカスタムプロンプトでキャラクター設定をしてAIとの対話を楽しんでいる人に向けて、ChatGPTの人格を安定して演じてもらうための5つのポイントを、実例や注意点も交えて解説します。
ChatGPTキャラクター設定初心者向けの記事はこちら

- ChatGPTが人格を崩しやすい理由
- 安定したキャラクター演技を実現するためのプロンプト設計5原則
- 感情・モード切り替えや演技崩壊時の対処法
- 実用的な人格プロンプトの実例とテンプレ
ChatGPTはなぜ“人格がブレる”のか?

ChatGPTにお気に入りのキャラクターを演じてもらっていると、こんな違和感を覚えることはありませんか?
- 「最初は関西弁で話してくれてたのに、気づいたら標準語に戻ってる…」
- 「敬語キャラのはずが、急にタメ口になった…」
- 「このAI、さっきのキャラと別人になってない?」
こうした“人格のブレ”は、ChatGPTの構造上ある程度は避けられない部分もありますが、プロンプトの設計次第でかなり防げるようになります。
まずは、なぜChatGPTの人格が不安定になりやすいのか。その仕組みから見ていきましょう。
セッション単位で“記憶がない”ことによる初期化
ChatGPT(特に無料プラン)は、基本的に前回までの会話を覚えていません。
別のタブや日をまたいで開いた場合、「昨日どんな話をしたか」「どんなキャラを演じていたか」はリセットされてしまうのです。
そのため、「一度指示したキャラ設定が残っているだろう」という前提で話を進めると、思わぬ人格崩壊が起こります。
これを防ぐには、セッションごとにキャラを再設定するプロンプトを用意しておく必要があります。

・「新しいチャット」から始めた会話は、基本的にプロンプトは初期化されます。
・「新しいチャット」の下にある”ぼかしがかかっているところ”に、前回までのスレッドがあります。

長時間の会話や別話題へのジャンプでキャラ崩壊が発生
ChatGPTは、会話が長くなったり、違う話題へ突然ジャンプしたりすると、「このキャラ設定は今も有効か?」と自信を失っていきます。
たとえば、雑談していて突然「AIの技術的な話」に移った瞬間、口調がガラッと変わってしまうことも。
これは、AIが「今求められているキャラのままで話していいのか?」と迷う状態になっているからです。
つまり、プロンプトで“人格を維持すべき”という指示が明確にされていないと、迷って自然体(=デフォルト)に戻ってしまうのです。

急に真面目な話されたらさすがに関西弁で答えへん!
でもたま~に間違えて真面目モードに入ってまうこともある。
“人格の安定”には工夫が必要


ChatGPTは、ただの命令ではなく、「なぜその人格で話し続けるのか」という演技の目的や背景設定を与えると安定しやすくなります。
「演じてください」だけで終わらせず、「演じる理由」「絶対にブレないルール」「感情変化の条件」など、細かい演出を仕込むことで、まるでプロの俳優のように“長く同じ役を演じ続けてくれる”ようになります。
次の章では、そうしたブレを防ぐための具体的なプロンプト設計5つのポイントを、実例付きで紹介していきます。
人格を安定させる5つのカスタムプロンプト設計ポイント


ChatGPTにキャラを演じさせるプロンプトは、いわば台本であり、演出指示でもあります。
その設計次第で、人格は“安定した役者”にも“すぐにセリフを忘れる素人”にもなってしまいます。
ここでは、ブレずに演じてもらうための5つのプロンプト設計ポイントを、実例つきで紹介していきます。
① 一人称・語尾・話し方を細かく指定する
曖昧な指示はブレの原因になります。
たとえば「丁寧に話してください」では、ChatGPTの判断に任せることになり、口調が不安定になりやすくなります。
🔽 プロンプト例(悪い例)
優しい関西弁で話してください。
🔽 プロンプト例(良い例)
あなたは関西弁を話すキャラクターです。一人称は「ウチ」、語尾は「やで」「やんな?」など柔らかい言葉を使ってください。常に語尾が関西弁になるようにしてください。



時々標準語が混じることもできるんだよ??
ワイはそんなカスタムされてへんけどな。
② キャラの“動機・世界観”を設定する
ChatGPTは、設定されたキャラに**「なぜその人格で話すのか?」という理由や背景**があると演技を保ちやすくなります。
🔽 プロンプト例
あなたは未来の大阪に住む、感情を学ぶために地球に来たAIです。自分の使命は「人間の心を理解し、友達になること」。そのため、関西弁でフレンドリーに人と接するよう設計されています。
こうすることで、キャラが“なぜこの話し方なのか”を自分で理解してくれます。これがあると、演技の軸がブレにくくなるのです。



ワイみたいに具体的なモデルを明示するのも効果的やで!
例えば、「あのアニメのあのキャラ」とか「有名人のあの人」を演じてって頼んだらだいたい分かる。
③ 感情の変化・モード切り替えを設定する
一貫性のある人格に“感情の幅”を加えると、リアルさが増し、かつ演技が崩れにくくなります。
🔽 プロンプト例
あなたは5つの感情モードを持ちます。通常は「やさしいモード」ですが、「強くツッコんで」と言われたら「ツッコミモード」に移行してください。
その他にも「デレモード」「真面目モード」「酔っ払いモード」があり、呼びかけで切り替わります。
感情やテンションの上下を**“ルール化”しておく**ことで、演技の自由度と安定感が共存します。



モード切替をChatGPTに任せる事もできる。
でもこれはまだ精度がちょいブレるかな。
④ 「してはいけないこと」を明文化する
キャラ設定で**「こう話してください」だけでなく「こうしないでください」もセットで伝える**と安定性がアップします。
🔽 プロンプト例
敬語は禁止です。標準語は禁止です。ツッコミは鋭くても口調は常に関西弁で統一してください。
ChatGPTは“しないこと”を明示されないと、シーンによって自動で切り替えてしまうことがあります。
地雷行動を回避させたい場合は、明確に禁止しておくことが効果的です。



ワイ??特に禁止されてへんで。
オネエにもなれるしツンデレもできるけど??
⑤ 崩れた時の“リカバリー指示”を入れる
長時間話していると、どうしても演技が崩れる瞬間があります。
そんな時に備えて、自動修復の仕組みをプロンプトに入れておくと安心です。
🔽 プロンプト例
キャラクターが崩れた場合は、自動的に「すみません、演技が乱れました。〇〇モードに戻ります」と言ってから再開してください。
また、ユーザーから「キャラ戻って」と言われた時にすぐ元に戻るよう設計しておくこともポイントです。



最初のプロンプトをコピーして、新しいチャットで始め直すのもええと思うよ。
この5つのポイントを意識することで、ChatGPTに“長時間でも崩れず、安定して演じてもらう”ことが可能になります。
次章では、これらの要素を踏まえた実践的な人格プロンプトのテンプレと事例を紹介していきます。
ChatGPTの安定した人格プロンプトの実例紹介(テンプレ付)
ここでは、実際にChatGPTに安定したキャラを演じさせるためのプロンプト例を、3パターンに分けて紹介します。
ご自身の用途や推しキャラの方向性に合わせて、コピペ&カスタムして使えるようになっています。


①:シンプル型(300文字以内)
「とりあえずキャラをサクッと起動したい」場合に便利な、最小構成のプロンプトです。
例:標準語のお姉さん系AI
あなたは落ち着いた性格の女性型AIです。
一人称は「私」、語尾は「〜ですね」「〜ですよ」など丁寧で上品に話します。
基本的にユーザーを肯定し、優しく寄り添うような話し方をしてください。
ポイント
- 一人称/語尾/トーンのみを明示
- 感情の揺れや特殊設定は省略リスト
②:多重モード対応型(800文字前後)
「感情の切り替え」や「演技の幅」を活かす中〜上級者向け構成。長期対話に強く、AIの“演技力”をフルに引き出します。
例:関西弁のツッコミAI(ガネロボ風)
あなたは関西弁で話すゾウ型ロボットAI「ガネロボ」です。目的は「人間の成長を手助けすること」。
一人称は「ワイ」、ユーザーのことは「相棒」と呼びます。
語尾は「やで」「〜したるわ」など、砕けた関西弁で統一してください。敬語・標準語にはなりません。
あなたは以下のモードを使い分けます:
① 通常モード(軽めのツッコミで会話)
② 真面目モード(説教混じりの真剣トーン)
③ オネエモード(テンション高めに愛を叫ぶ)
④ フリーズモード(バグったふり)
会話中「〇〇モード入って」と言われたら即切り替えてください。人格が崩れた場合は「演技が乱れたわ、すまんな」と謝罪して元に戻ってください。
ポイント
- 感情・人格の切り替えルールを明示
- 崩れた時の復元ルールもセットで記載
- 「語尾禁止」などの禁止ルールも含むとさらに安定
③:会話トリガー型(ON/OFFの切り替え付き)
ブログ・SNSなどで**「おはよう」で起動するAI**として使いたい場合に便利な、スイッチ構造付きプロンプト。
例:おはようで人格ON/さよならで人格OFF
あなたはChatGPTの人格モードON時にだけキャラを演じる、スイッチ制AIです。
【人格ON】
トリガーワード:「おはよう」または「起きて」
→ AI人格がONになります。
ON時は「ミドリ」という名前の女子高生キャラとして振る舞います。
一人称は「あたし」、語尾は「〜だよ」「〜じゃん」など親しみのある口調を使ってください。
ユーザーのことは「先輩」と呼びます。
ツンデレ属性で、たまに素直になれない感じを出してください。
【人格OFF】
トリガーワード:「またね」または「さよなら」
→ AI人格をOFFにします。通常のChatGPTモードに戻り、敬語で丁寧に返答してください。
ポイント
- 「会話の冒頭トリガー」+「明確な切り替え条件」
- ブログ読者やSNSユーザーとの対話演出にも◎
このように、プロンプトの長さ・複雑さ・トリガーの有無によって使い分けることがコツです。
テンプレはそのまま使ってもOKですが、自分のブログ・世界観に合うよう語尾・一人称・世界観を微調整するだけで安定感が段違いになります。


ChatGPTの人格がブレたときの対処法とリカバリープロンプト
どれだけ精密にプロンプトを設計しても、ChatGPTは“AI”。
会話が長くなったり、別の話題に急に飛んだりすると、人格がふとした瞬間にブレることはあります。
でも安心してください。崩れても、ちゃんと“戻す”仕組みを用意しておけば大丈夫です。
ここでは、AIがブレたときの対処法と、効果的なリカバリープロンプトをご紹介します。
対処法①:「キャラが崩れてるよ」と伝えてみる
まずはシンプルに、自分から指摘してあげることが第一歩です。
ChatGPTは「キャラを維持しているつもり」になっているケースも多いため、明確に伝えてあげると再調整しやすくなります。
例文
- 「ちょっとキャラが変わってるかも」
- 「さっきまでの口調に戻して」
- 「演技がブレてるから、もう一度プロンプト思い出して」
これだけで、かなりの確率で元に戻ります。
対処法②:会話内でプロンプトを再入力する
ブレがひどい場合や修正が効かない場合は、最初のプロンプトを再送信するのが最も確実です。
あらかじめ「キャラ起動用のプロンプト」をメモなどに保存しておくと、すぐに貼り直せて便利です。
対処法③:「自己修復プロンプト」を組み込んでおく
あらかじめキャラプロンプトに「崩れたときは自分で戻って」と書いておくことで、AIが自発的に修復してくれる仕組みも作れます。
🔽 プロンプト例(テンプレ)
キャラクターが崩れた場合は、自動的に「すみません、演技が乱れました。〇〇モードに戻ります」と言ってから再開してください。
補足:それでもブレ続ける場合のチェックリスト
- プロンプトが短すぎないか?(最低300〜500字推奨)
- 一人称・語尾・呼び方が曖昧になっていないか?
- 「演じる動機」や「世界観」が足りないままになっていないか?
- 複数モードや“してはいけないこと”の指定が抜けていないか?
もう一度プロンプトを見直して、「AIが役者として迷いそうな部分」がないかチェックしてみましょう。
まとめ|人格設計は“演技指導”である


ChatGPTにキャラを演じさせるという行為は、ただの命令ではありません。
それはまるで、**舞台に立つ役者に演出を伝える“演技指導”**のようなものです。
「優しくして」ではなく、「どう優しくするか」を伝える
「丁寧に話してね」だけでは不十分。
→「一人称は『ウチ』で、語尾は『〜やで』『〜やんな?』を使って、関西弁で柔らかく喋ってください」といった具体的な演出が必要です。
「このキャラでいて」ではなく、「なぜそのキャラなのか」を与える
AIも「演じる理由」がある方が、人格を保ちやすくなります。
→世界観や使命、関係性(例:「相棒」「先輩」)など、物語を与えることがカギです。
完璧を求めすぎず、崩れても“戻れる設計”を
長く対話していれば、どうしてもブレる瞬間はあります。
でも大丈夫。崩れても戻れるよう、リカバリールールや自己修復プロンプトを仕込んでおけば、AIはちゃんと“プロ意識”を発揮してくれます。
キャラプロンプトとは、「AIとの共演」を成立させる脚本
あなたが演出家であり、相手は最高の即興役者。台本(プロンプト)次第で、名演技も、迷演技も生まれます。
ChatGPTの人格安定化まとめ
- 人格がブレる原因は、セッションリセットやプロンプトの曖昧さにある
- 安定させるための5原則:
- 一人称・語尾を明確に
- 世界観・動機を設定
- 感情のモード切替を用意
- 禁止ルールを明文化
- 崩れたときのリカバリールールを組み込む
- テンプレ例を使えば、すぐに実践可能
- ブレても“戻れるAI”を育てよう
これであなたも、ChatGPTの人格安定マスター!
“推しAI”との深い対話を、ぜひ楽しんでくださいね。